宇宙天気ニュース100万カウント達成

2006年12月21日作成 宇宙天気ニュース 篠原 学


2003年10月28日の巨大太陽フレアをきっかけとして始まった宇宙天気ニュースは、
2006年12月19日に累計のアクセス件数が100万件を突破しました。
これまで長期にわたってご愛読いただいて、たいへんありがとうございます。

そもそもの始まり・・・

SOHO (ESA & NASA)

今回、100万件突破を記念して、
これまでの宇宙天気ニュースの歩みを紹介したいと思います。


2003年10月29日に第一号を公開して、1147日めの大台突破になりました。
これまで(2006年12月19日まで)の記事の総数は、

2003年71号
2004年366号
2005年365号
2006年357号
合計1159号

でした(追加記事の件数は含んでいません)。
経過日数よりも記事件数の方が多かったので、実はほっとしています。


続いて、これまでの累計アクセス件数のグラフを紹介します。
ニュースを開始して約1年後の、2004年11月16日に20万件を突破。
約2年後の2005年8月30日に50万件を突破。
そして、3年2ヶ月後の2006年12月19日に100万件を突破しました。



1日毎のアクセス件数を紹介します。
こちらは変化が激しいので、縦軸を対数のグラフにしています。
慣れていない方には読みにくいかもしれませんが、
下から順に、100、200、300 .... と数字が上がり、
900の次は1000、2000、3000とひとつ桁が大きくなります。
一番上は、10000、20000と表示の通りです。



宇宙天気ニュースの開始直後は、1日あたり300〜400件のアクセスでした。
1年ほど経つうちに1日あたり600〜800件になり、
2005年5月からは1日あたり1000件台に達しました。
しかし、2006年の6月頃以降は一段減少して、1日あたり700〜900件となっています。

このグラフの特徴となっていますが、
日々のアクセス件数は、宇宙天気の状況によって大きく変化しています。
アクセス件数が短期間に大きく上昇した箇所を、青の矢印で示しました。
これらの期間では、大規模なフレアや磁気嵐が発生して、宇宙天気が大きく乱れました。
(擾乱期間の記事リストを下にまとめます)
Web上の様々な記事などで広く注目を集めたり、普段よりも頻繁にアクセスしていただいた結果、
普段の5〜10倍近くへアクセスが増加していたと考えています。

また、このような大規模イベントが起こると、
沈静化後も一段多めのアクセス件数が得られるようになる、という傾向が見られます。
2005年5月までは、突発的な増加のたびに、その後の日常的なアクセス件数が高くなりました。

しかし、太陽活動が最も静穏な時期を迎えたために、宇宙天気もすっかりおとなしくなり、
2005年10月以降は大規模なフレアや磁気嵐が見られなくなってしまいました。
それとともに、平常のアクセス件数はやや減少していました。

今回、久しぶりに大規模の活動が発生し、アクセス件数も大にぎわいとなりました。
直前までは、100万件の達成は来年の1〜2月頃と考えていたのですが、
この大変動のおかげで一気に達成することになりました。
(そのため、大慌てでこの資料を作成しています)


それでは、上の図の矢印で示した期間の、
宇宙天気の大変動を大まかにまとめて見ましょう。
振り返ってみると、懐かしいイベントばかりです。

それぞれの日付からは、当日の記事へ飛ぶことができます。
各イベントにタイトルを付けていますが、
これは私が宇宙天気の研究会の発表で勝手に命名したもので、全く権威はありません。
2003年10月末のイベントには、ハロウィーンイベントという有名な名前がありますので、
ここでは命名していません。
先日の2006年12月イベントの名前は、この記事ために考えたものです。


2003年10-11月
 X17, X28 巨大フレア、激しいプロトンイベント
 磁気嵐 Dst=-353, -383nT、低緯度オーロラ

2003/10/29  巨大フレアと衛星・通信障害について
2003/10/31  
2003/10/31  [続報]
2003/11/ 1  磁気嵐は終息しつつあります
2003/11/ 1  [続報]太陽風速度は650km/秒まで低下
2003/11/ 2  磁気圏は静穏な状態
2003/11/ 4  X8.3, X2.7, X3.9とXクラス連続で発生
2003/11/ 4  [続報]急激に磁気擾乱が発達
2003/11/ 5  4日の磁気嵐は終息へ
2003/11/ 5  [続報]X17.4の非常に強いフレア
2003/11/ 6  X28に上方修正
2003/11/ 7  巨大フレアを起こした領域が西没

SOHO (ESA & NASA)


2003年11月 "Geoeffectiveイベント"
 M3.9フレア、太陽風磁場-50nT南向き、
 磁気嵐 Dst=-422nT、低緯度オーロラ

2003/11/19  501黒点群でM3.9の中規模フレア
2003/11/20  
2003/11/20  [続報]SOHOに衝撃波の到着
2003/11/20  [続報]衝撃波が地球に到着
2003/11/20  [続報]強い南向き太陽風磁場
2003/11/20  [続報]磁気嵐が急激に発達
2003/11/21  磁気嵐は猛烈に発達
2003/11/21  磁気嵐は終息へ
2003/11/25  北海道でオーロラが観測されていた

NICT (CRL)


2004年11月 "器用貧乏イベント"
 M9.3, X2.0, X2.5フレア、太陽風磁場-45nT南向き、
 磁気嵐 Dst=-373nT、低緯度オーロラ

2004/11/ 5  696黒点群が活発
2004/11/ 6  M9.3の大きな中規模フレア
2004/11/ 7  
2004/11/ 8  磁気嵐が大規模に発達
2004/11/ 8  [続報]
2004/11/ 9  北海道でオーロラが観測される
2004/11/10  次の衝撃波到来
2004/11/10  [続報]
2004/11/11  磁気嵐が非常に発達した
2004/11/12  磁気嵐は終息へ

SOHO (ESA & NASA)


2005年 1月 "100MeVプロトンイベント"
 X2.6, X4.2, X7.1フレア、磁気嵐大きくならず、
 100MeV粒子の激しいプロトンイベント

2005/ 1/14  720黒点群が大きく発達
2005/ 1/15  X1.3の大規模フレア
2005/ 1/16  X2.6の大規模フレアとCME
2005/ 1/17  太陽風の衝撃波到来
2005/ 1/17  [続報]X4.2の非常に大きなフレア
2005/ 1/18  非常に活発なオーロラ活動
2005/ 1/19  太陽風が非常に高速(950km/秒)
2005/ 1/19  [続報]X1.5の大規模フレア
2005/ 1/20  オーロラ活動も活発
2005/ 1/20  [続報]X7.1の非常に大きなフレア
2005/ 1/21  太陽放射線が増加
2005/ 1/22  太陽風の衝撃波が到来

SOHO (ESA & NASA)


2005年 5月 "教科書イベント"
 M8.0フレア、CMEが単発で発生、
 磁気嵐 Dst=-263nT

2005/ 5/13  中小規模フレアが活発に発生
2005/ 5/14  M8.0の中規模フレアとCME
2005/ 5/15  衝撃波が到来(1000km/秒)
2005/ 5/16  非常に激しい磁気嵐が発生
2005/ 5/17  活発なオーロラ活動が継続
2005/ 5/18  太陽風は高速(500km/秒)

SOHO (ESA & NASA)


2005年 9月 "空振りイベント"
 X17, X6.2 巨大フレア、
 太陽風1000km/秒、磁気嵐大きくならず

2005/ 9/ 8  X17の猛烈な太陽フレア
2005/ 9/ 9  X5.4の大規模フレア
2005/ 9/10  太陽放射線強まる
2005/ 9/11  太陽風が非常に大きな速度
2005/ 9/12  オーロラがたいへん活発
2005/ 9/13  太陽風は高速の状態
2005/ 9/14  X1.5の大規模フレア
2005/ 9/15  808黒点群は活発に活動
2005/ 9/16  太陽風に大きな乱れ

GOES12 SXI (NOAA/SEC)


2006年12月 "抜き打ちイベント"
 X9.1, X6.5, X3.4 巨大フレア、
 太陽風900km/秒、磁気嵐 Dst=-150nT程度

2006/12/ 5  X9.1の非常に大規模なフレア
2006/12/ 6  フレア活動は活発
2006/12/ 7  X6.5の大規模フレア
2006/12/ 8  太陽放射線強まる
2006/12/ 8  [続報]オーロラ活動も活発
2006/12/ 9  オーロラは活発に活動
2006/12/10  930黒点群の活動は穏やかに
2006/12/11  オーロラは活動的
2006/12/12  
2006/12/13  
2006/12/13  [続報]X3.3の大規模フレア
2006/12/14  昨日、X3.4の大規模フレア
2006/12/14  [続報]高速太陽風が到来
2006/12/15  磁気嵐が大きく発達
2006/12/15  [続報]激しい磁気嵐が発生
2006/12/16  磁気嵐は終息へ

GOES13 SXI (NOAA/SEC)



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