宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (10:38)
昨日、M2.8の中規模フレアが、一昨日もM8.0の中規模フレアが発生しています。
太陽風の速度が高くなっています。
磁気嵐がやや発達しています。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
3/16 --- ---
3/15 16:22 M1.9
00:08 M2.8
3/14 02:08 M8.0
01:28 C2.4

黒点  3/16 (NOAA)
磁場 フレア
1429 3 β M8
1432 16 βγ M3
1433 11 β ---
1434 2 β ---
1435 3 β ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
10:26 670 -1.2
-2 h 698 -2.0
-4 h 721 +1.5
-6 h 742 +2.6
-8 h 743 -4.6
-10 h 718 -6.5
-12 h 696 +5.5

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
10:30 -80 -/ -
-2 h -49 -/ -
-4 h -43 -/ -
-6 h -59 -/ -
-8 h -66 -/ -
-10 h -42 -/ -
-12 h -53 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 2.4 5x10^2
3/16 3.8 2x10^3
3/15 51.7 4x10^4
3/14 469.0 2x10^4
3/13 24.2 5x10^3
3/12 71.0 5x10^4

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期短期 (swnews)
黒点動画 (SDO)
X線5分1分 (GOES)
X線写真動画 (GOES)
SolarMonitor (TCD)
Latest Events (SolarSoft)
AIA193動画 (SDO)
AIA304動画 (SDO)
EIT195 (SOHO)
EIT284 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
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AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
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情報ページ
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これまでの経過 (過去のニュースの 閲覧全リスト)
2012/ 3/11 15:56 太陽風の乱れは終わりました。続いて、次の乱れが到来しそうです。
2012/ 3/12 11:01 太陽風はやや高速です。9日の素晴らしいオーロラの写真をご覧下さい。
2012/ 3/13 11:18 CMEによる太陽風の乱れがやって来ました。磁気圏の活動も大きく高まりました。
2012/ 3/14 10:37 M7.9の中規模フレアが発生し、CMEも噴出しています。
2012/ 3/15 14:02 高速の太陽風が続いていました。明日くらいから次の擾乱が始まりそうです。
最新のニュース

2012/ 3/16 10:38 更新
太陽風の乱れが到来し、活発な磁気圏活動が発生しました。ニュージーランドのオーロラをご覧下さい。

担当 篠原

ACE衛星の観測によると、
昨夜、15日21時半(世界時15日12時半)に、太陽風の乱れが到来しました。
14日2時(世界時13日17時)のM7.9のフレアに伴って発生したCMEが到来したものです。
1日半を経過しての到来で、太陽風の速度は、初めに700km/秒に上昇し、
その後、800km/秒近くまで上がりました。
また、磁場強度は15nT程度へ強まっています。

この太陽風の急な強まりは、30分ほど経過して地球に到達しています。
茨城県柿岡の地磁気観測所のデータを参照すると(今日3枚目の図)、
15日22時半(世界時15日13時)頃、グラフがそれぞれ急に変化しています。
これは、太陽風の圧力が強まって、
地球の磁気圏が急に押しつぶされたことによる変化です。

太陽風の磁場は、初めは北向きに強まりましたが、
1時間ほど経った頃から南に反転し、
-10nT程度の強い南向きが4時間近く続きました。
このため磁気圏は一気に活動的になり、
AE指数のグラフは1500〜1800nTの激しい変化を記録しました。


オーロラの活動も激しかった様で、
ニュージーランドの米戸 実さんが、
今朝、撮ったばかりの素晴らしいオーロラの写真を送って下さいました。

ニュージーランドはもう秋の気配が漂っているそうで、
観測に出かけたときで気温は3.7度、朝には氷点下に近い寒さになっていたそうです。
現地16日5時45分(夏時間の様ですので、世界時15日16時45分)頃からオーロラが急に激しくなり、
4色のオーロラが空を踊る大出現になったそうです。
しかし、始まった時刻が遅かったので、そのまま薄明が始まり、
撮影できたのは6時38分頃までだったそうです。

ニュージーランドは、緯度がやや低いので、
オーロラが激しくなって、発生地域がより広がった時に見ることができます。
AE指数のグラフは、世界時14時頃からかなり激しくなっているのに、
米戸さんのところでオーロラが激しくなったのが17時近くになっていたのは
その関係かもしれません。

1枚目の写真の中程に低く見える明るい星はカノープス、
その左上の淡い星雲は大マゼラン雲、
さらにその左上には小マゼラン雲が写っている様です。

本当に美しい写真を、ありがとうございます。
(米戸さんを含む、過去に送っていただいた写真は「読者写真集」をご覧下さい)


太陽風の乱れは、やや弱まりながら現在も続いています。
速度は680km/秒と高速状態を保ち、磁場強度も7nTとやや強まった状態です。
CMEによる乱れは今日いっぱいくらい続くのではないでしょうか。

そして、この変化に続く様に、今度はコロナホールによる高速風が始まるかもしれません。
SDO衛星による太陽コロナの写真を見ると、
コロナホールは地球への影響が始まる目安の位置の西側半分ほどまで移動しています。
このまま、明日、明後日と太陽風は強まった状態が継続するかもしれません。


太陽は、15日16時半(世界時15日7時半)に、
中心部の1432黒点群でM1.8の中規模フレアが発生しました。
今後は1432黒点群の活動に注目して下さい。



昨日、一昨日のニュースで、
太陽風の乱れの到来を今日の16日頃と書いていましたが、
かなり遅すぎる見通しでした。
研究会の隙間を見つけての更新だったため、分析不足でした。
申し訳ありません。



ニュージーランド南島クィーンズタウンで、米戸実さんにより撮影された現地16日6時2分(世界時15日17時2分)のオーロラ。
(c) 米戸 実氏


ニュージーランド南島クィーンズタウンで、米戸実さんにより撮影された現地16日6時19分(世界時15日17時19分)のオーロラ。
(c) 米戸 実氏


茨城県柿岡の地磁気観測所で観測された、太陽風の急な強まりによる磁場変化。
(c) 気象庁地磁気観測所


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) 作図:宇宙天気ニュース
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子
(c) SDO (NASA)



SDO衛星による太陽の可視光写真。マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。
(c) SDO (NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC




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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。